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学会設立の趣旨

  現代科学の奇跡が生み出した比較的新しい表現形式としての映画は、20世紀において最も重要なメディアの1つであり芸術であった。 このことは21世紀となった現在にあってもいささかも揺るぎない。 なぜなら、映画のもつ叙述能力は他の伝統的な芸術に比べて際立っているからである。

 私たちの心の様や人間そのもの、あるいは社会とか時代の流れを豊かに、そして繊細に描きながら、娯楽としての気晴らしや夢を大衆に与えている。 すなわち、ある時代に産声を上げた大衆のための映画は、その時代の要請や文化的特徴を反映した貴重な資料であり、記録でもある。

 私たちの目の前のスクリーンに映し出された登場人物たちの喜怒哀楽は、その時代を生きる人々の心の調書にして激しい息づかいなのである。にもかかわらず、時代の趨勢や社会を映す鏡として、あるいは視覚や聴覚に訴えながら人間の心や生を教えてくれる映像による文学としての研究は、日本においてはいまだ幼少期にあるに過ぎない。

 そうしたことから、本学会は大衆の支持を受けた時代を代表するアメリカ映画に鋭い分析のメスを入れ、映画それ自体を評論することはもとより、魅力溢れるアメリカという巨大な国をさまざまな角度から研究することを目的に設立されたものである。

曽根田先生から引き継ぎ、当学会の会長に新しく就任した高瀬文広です。  当学会設立の趣旨に賛同いただける方は 是非 当会への入会をお願いいたします。

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